ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

USBプラグ

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.38 USB接続は逐次方式の通信を利用する

最近はUSBポートに,キーボード,マウス,ディスプレイ,ハードディスク,プリンタと,すべての周辺機器をつないだりします.つまり,USBは汎用的で強力な接続方法を提供します.

こんなことが可能なのはUSBが汎用的なプロトコルに従っているからです.もともとUSBとは,「万能逐次信号線」という意味の英語の略語なのです.

逐次シリアル)方式とは,大量のデータであっても,0-0-1-0-1-1のように01のデータを1つずつ先頭から順番に送る方式のことをいいます.

逐次方式の信号線があるのですから,当然ですが並列方式の信号線もあります.並列方式では複数の信号線を使って一度に信号線の本数分の01データを送ります.

それだと並列方式の方が逐次方式よりも早くデータを送ることができるだろうと考えるのですが,実はそうではないのが実情です.

前に述べたようにパソコンでは億分の1秒というような極めて短時間に一回のデータ送信が行われます.並列方式では,複数の信号線から送られてくるデータをこの短時間の間に同時的に処理しなければなりません.そうでなければ,その前後のデータが混ざってしまいます.

複数の信号線のデータを,同期をとって受けとって同時的に処理する,ということが技術的にはなかなか難しいので,逐次方式よりも01信号を送信する前後の間隔を長くする必要があります.

それで結果的に逐次方式よりも遅くなってしまうのです.

 USBのプラグやコネクタには,図4(B)にあるように,木の枝が張ったような記号が描かれています.この記号が象徴していますが,USBCPUとコミュニケーションする部分1箇所につき,理論的には127個までのさまざまな周辺装置を接続できます

1.33 外部装置の接続端子は外部クロックも送る

ここでは,外部装置の接続について説明します.これはインターネットや携帯電話の仕組みを理解するには避けて通れない「プロトコル」というものの初歩を知ることになります.


図4

 

4 周辺装置の主たるプラグの形状とピンの配置

写真7に示したようなコネクタに差し込む外部装置の側の接続端子の例として,図4に,(A)キーボードやマウスのPS/2(ピーエスツー)プラグ,(B)最近では広範囲の外部装置に使われるUSBプラグおよび(C)ディジタル型ディスプレイのDVI(デーブイアイ)プラグ,それぞれの形状とピンの配置を示しました.

これらのプラグには電力供給用の電線が含まれています.そして,その電圧が,5ボルトであることも見て取れます.もし,外部装置がこの電線から供給する電力の範囲で作動するものなら,その装置は電力ケーブルを別に用意する必要がないこということになります.

例えばPS/2コネクタに接続するキーボードの場合,この電力はキーボードのどれかのキーを押したときに,それに対応する信号を発生するのに使われます.そのための電子回路がキーボードには組み込まれています(1.44参照).消費電力が小さいので電力ケーブルはありません.

 

一般に,周辺装置から主体的にCPUに向けてなんらかのデータを送る際には,CPUは何かのソフトウェアの処理をしています.電源を入れた後は,CPUは常に何かをしているからです.

CPUがどのソフトウェアの処理も行わず,遊休状態にある時でも,CPUは「次に処理するべきソフトウェアが決まるのを待つ」ことを,基本ソフトウェアの指示で行っています.

したがって,周辺装置から主体的にCPUにデータを送る時には,これからデータを送るということをCPUに伝える必要があります.これを「割り込み」と言います(1.34参照).

CPUは割り込みを受けると現に処理中のソフトウェアを中断し,周辺装置からの信号を受けとります.

CPUはクロックに合わせて処理をしますので,割り込み信号やそれに続いて送られてくるデータの信号は,クロックによってCPUの動きとタイミングを合わせて発生されます.PS/2DVIのプラグにクロックとあるのは,このクロックの信号線です.外部クロックを伝える電線ですね(1.13参照).

USBプラグにはクロックの信号線が有りません.その理由は後述します.
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