最近はUSBポートに,キーボード,マウス,ディスプレイ,ハードディスク,プリンタと,すべての周辺機器をつないだりします.つまり,USBは汎用的で強力な接続方法を提供します.
こんなことが可能なのはUSBが汎用的なプロトコルに従っているからです.もともとUSBとは,「万能逐次信号線」という意味の英語の略語なのです.
逐次(シリアル)方式とは,大量のデータであっても,0-0-1-0-1-1のように0,1のデータを1つずつ先頭から順番に送る方式のことをいいます.
逐次方式の信号線があるのですから,当然ですが並列方式の信号線もあります.並列方式では複数の信号線を使って一度に信号線の本数分の0,1データを送ります.
それだと並列方式の方が逐次方式よりも早くデータを送ることができるだろうと考えるのですが,実はそうではないのが実情です.
前に述べたようにパソコンでは億分の1秒というような極めて短時間に一回のデータ送信が行われます.並列方式では,複数の信号線から送られてくるデータをこの短時間の間に同時的に処理しなければなりません.そうでなければ,その前後のデータが混ざってしまいます.
複数の信号線のデータを,同期をとって受けとって同時的に処理する,ということが技術的にはなかなか難しいので,逐次方式よりも0,1信号を送信する前後の間隔を長くする必要があります.
それで結果的に逐次方式よりも遅くなってしまうのです.
USBのプラグやコネクタには,図4(B)にあるように,木の枝が張ったような記号が描かれています.この記号が象徴していますが,USBはCPUとコミュニケーションする部分1箇所につき,理論的には127個までのさまざまな周辺装置を接続できます.