ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

表現様式

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

3.13 編集機能は文書作成ソフトウェアの基本機能です

ファイルの内容を変更する作業は,一般に,編集あるいはエディットeditと呼ばれています.

何も書かれていない白紙の文書に入力するのも,ファイルの内容が変更されるという意味では「編集」です.ですから,ソフトウェアを起動した直後から,作業対象のファイルを編集できる状態になっています

その証拠に,ソフトウェアを起動すると,すぐ入力作業ができますね!

これを,「編集モードになっている」といいます.

モードmodeは,「流行」と同じ英語ですが,この語にはいろいろの意味があって,ここでは「ある種の状態にあること」の意味です.

編集作業の基本は,

入力位置の選択・変更

文書内容の入力

入力中の内容の変更,削除

入力済みの内容の変更・コピー・移動・削除

入力する文書の表現様式の変更

などです.これらはどの表現様式の文書作成にも共通しています.

これらの機能のための選択肢やメニューがどこにあるかを知らなくとも,捜せばきっと見つかる,といえます.

編集作業の基本は共通だといっても,表現様式が異なれば,入力する基本データは異なります.ワープロやテキストエディタなら文字や文章,図形ソフトなら要素的な線図,表計算ソフトなら数値や文字データ,お絵かきソフトなら絵などとなります.

 そのため,ワープロの場合,最初の4つの基本作業は起動した状態でそのまま,マウスとキーボードを使うと出来るのですが,最後の表現様式の変更は,多くの場合,メニューの「挿入」を選ぶことで可能になります.

 それは,表現様式を変更する作業は,「地」になる表現様式の文書の中に,異なる表現様式の部分を差し込む作業に他ならないからです.

 いろいろなソフトウェアを起動してみて,その本来の処理対象である表現様式とそれ以外の表現様式について,各作業を行う方法を確認してみることを奨めます.

3.10 表現様式ごとに異なる作業と共通の作業とがあります

パソコンで文書を作成する時には,3.8に述べたように多様な表現様式を使っていて,しかも,1つの文書の中にそれらを組み合わせて利用します.

そのような文書を作成するには,手書きで文書を作成する場合とは違う心構えが必要だ,ということを明確に意識することが重要です.

それは,各表現様式に固有の作業がソフトウェアの異なる機能として作り込まれることが多いからです.

たとえば,文章なら段落,図なら実線や破線,グラフならその種類,表なら行や列,絵なら色のコントラスや塗りつぶしの仕方など,表現様式ごとに異なる概念が必要になります.したがって,それぞれの表現様式の文書作成作業をするには,これらの概念に対応する各種の作業ができなければなりません.

そのような作業が,それぞれの表現様式の文書作成のソフトウェアには,編集機能の一部として組み込まれているはずです.

他方,表現様式が異なっても,共通する作業も少なくありません.したがって,どの表現様式の文書を作成する際にも同じように必要な共通の機能が,各表現様式の文書作成プログラムに備わっています.

そこで,共通の作業にどのようなものがあるかを知っておくとことが望まれます.各表現様式を扱うソフトウェアには,共通の作業について同じような機能が備わっていることが多いからです.

共通の作業については一般に,1つの表現様式の作業のためのに学んだことを,他の表現様式の作業の際にも応用できるものです.

なお,表現様式は変えずに見た目が他の表現様式のようになるようにすることがあります.顔文字はその例といえます(^_^).顔文字は見た目は絵のようですが,実際は文字を並べたものです.

顔文字は遊びに近いものと言えますが,もっと重要な例として,3.153.16ではを取り上げて検討します.

3.8 表現様式に応じて専用の文書作成ソフトウェアがあります

文書に使われる文章,図,グラフ,表,絵,動画,音声などの,それぞれの表現様式には,表現ための基本となる概念が付随しています.たとえば,文章なら段落,図なら実線や破線,グラフならその種類,表なら行や列,絵なら色のコントラスや塗りつぶしの仕方などです.

また,こうした表現の基本概念は,表現の方法として異なった効果を発揮します.そのため,文書は多かれ少なかれ,いくつかの表現様式を組み合わせ,それぞれの効果が有機的に結びついて,文書の目的をよりよく発揮できるように,工夫をこらして作成されます.

それぞれの表現様式を利用するには特有の作業が必要であり,また,効率的な作業手順も異なるものです.そこで,これらの表現様式を利用するには,それぞれに特有の基本要素や作業についての知識や技能が必要になります.

そこで,それぞれの表現様式に応じて専用のソフトウェアが用意されるのは自然な成り行きというものです.

文章を入力するだけならテキストエディタでできますが,文章中心の文書の見栄えを良くした,いわゆる整形文書の作成にはワープロが使われます.また,表は表計算ソフト,図は図形描画ソフト,写真や画像は画像編集ソフト,絵はお絵かきソフト,印刷紙面や表示画面のレイアウトは卓上出版DTPソフトないしページレイアウトソフトが使われます(表3参照).

しかし,いくつかの表現様式の専用ソフトウェアを組み合わせて,それらの表現様式を統一的に処理することが可能なソフトウェアとしたものがあります.そのようなソフトウェアを,オフィス スイートと呼びます.これは「事務所用のひと揃い」の意味の英語です.

以下では,オフィススイートを念頭に,特に,文章中心の整形文書と図表の利用における基本作業や書式に関する基礎的な概念を検討します.

 なお,以下の検討では,具体的にソフトウェアを操作して確認できることが,理解を深めるのに極めて有効ですから,読者が拡張子docのファイルを生成するソフトウェア(OpenOfficeMSワードなど)を利用できる環境にあると想定して説明を進めることにします.

3.7 文書やその作成作業に必要な一般的知識があります

文書の表現様式の多様化,また,コンテンツの作成者自身が文書の整形も行うことが多いという傾向などを見ると,パソコンの利用者にとって,次のような知識を身につけるという課題のあることがわかります.

文書の内容と構成についての知識:いわば作文の知識で,基本的には学校で学びます.文書の構成 要素としての動画や音声について学ぶ機会は,これまでのところ極めて限定的です.しかし,動画や音声を利用する文書表現の方法につていは,本書では割愛します.

文書の作成作業についての知識:手書きで作成することには熟練していても,パソコンで行う方法に関する一般的な知識を学ぶ機会は,これまでのところ限定的です.特定のソフトウェアの使い方を学ぶことはあっても,多くのソフトウェアに共通する事柄にはほとんど注目されてきませんでした.

文書の書式についての知識:手紙などの手書きを前提とした伝統的な文書の書式は実用事典のようなもので学ぶことができますが,大部分の場合,習慣的な書式を無意識に使っていることが多かったと思われます.これまでのところ,印刷物やウェブの書式を学ぶ機会は極めて少なかったといえます.文書の書式に関することは,一般の人には不要な専門知識と考えられてきたからです.しかし,パソコンを使う環境では利用者自身がそれを自覚的に使えることが必要です.

文書の再生・利用に関する知識:伝統的な媒体であれば問題ありませんが,パソコンを利用する媒体の場合は,媒体自体と媒体の再生・利用の方法に関する知識が必要になります.これには第1部と第2部の内容が基盤となりますが,具体的には,動画,音楽といった表現様式に応じた知識が必要です.しかし,こうした表現様式は仕事の中で必須になることは少ないと思われますので,本書では,再生・利用に関する分野も割愛します.

そこで,以下では文書の作成作業と書式を中心にして検討していきます.

代表的な表現様式の文書作成作業に,口頭での発表や報告の補助資料作成,データの蓄積と検索利用,既成のコンテンツ(ウェブ,ゲーム,音楽など)を利用する娯楽を加えると,私たちがパソコンを利用する文書活用の代表的な6つの分野になります.それを表3に示しました.

3 代表的なパソコン利用     

作 業 内 容

アプリケーションの種類例

文章中心の整形文書の作成

ワープロソフト,DTPソフト

図表を利用するデータ整理・分析

表計算ソフト

写真や画像の編集

画像編集ソフト,図形描画ソフト

口頭発表・報告のスライドや資料

プレゼンテーションソフト

データ蓄積と検索利用

データベースソフト,表計算ソフト

既成のコンテンツの利用

各種リーダソフト,ブラウザ

 

3.6 文書はコンテンツと書式からなる

私たちは実に多様な書類を作成しています.メモ,日記,手紙,葉書,レポート,確定申告,報告資料,・・・・.

異なる目的で書かれた書類を見ると,だれでも違っているのが判ります.なぜでしょうか.それは目的に応じて,異なる種類の書類にするからです.

書類の違いのポイントは2つあります.1つは,書かれている内容です.いわゆるコンテンツです.手紙に書くことは,日記に書くこととずいぶん違いますね.

また,書類の体裁も異なります.手紙はほぼ100%,一枚ずつ分かれる用紙に書きますが,日記は綴じたノートのようなものに書かれるでしょう.これは,書類の違いのもう一つのポイントである書式フォーマット)の一部です.

書式とは書類の「見ばえ」のことです.

書類がコミュニケーションに役立つには,その作り手と受け手が,どのような文書にどのようなコンテンツをどのような書式で記載するか,を了解し合っていることが必要です.

すなわち,さまざまな書類の作り方と使い方は,広い意味のプロトコル1.35参照)の一部です.

以下で検討するのは,私たちが紙にプリントしたり,手書きしたりする書類についてです.書類の作成や管理にまつわる作業や概念の初歩的な理解することが検討の目的です.

これは小中高校あるいは大学でも勉強したことです.わざわざそんなことを再検討する理由は,こうしたことがワープロや表計算のソフトウェアを利用するときに本質的な事柄であるばかりでなく,パソコンで業務を行う際に表示されるディスプレイ画面は,伝票などの書類が元になることも多いからです.

一般に,パソコンの世界では書類全般を文書あるいはドキュメントと言います.

伝統的には,文書とは文字だけを使って紙に書き記されたものですが,パソコンで作る文書の表現様式はもっとずっと多様で豊かです.そこで,文書とは「文章,表,図,絵,動画,音声など,なんらかの表現様式を単独あるいは組み合わせて利用し,人の意思や感情を記述したもの」と規定します.

 パソコンの文書はデータとして記憶装置に保存されます.それを印刷して利用するのが普通のやり方と言えます.しかし,データを保存した記憶媒体を直接交換し,それを再生装置にかけて内容を見たり読んだりすることもします.そのような場合も,文書によるコミュニケーションであると言えます.
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