パソコンを使って仕事をする時,私たちはディスプレイを見て,キーボードとマウスで作業をします.
GUI環境は,私たちがあたかもキーボードとマウスで,ディスプレイの表示に直接作業をしているような感覚を持つように,工夫されています.しかし,私たちがキーボードやマウスを動かして入力しているのはRAMのどこかへであって,ディスプレイではないことはすでに勉強しました(1.37参照).
ディスプレイの表示は,私たちがRAMへ入力するたびに,瞬間的にプログラム(が,それまでの作業に関してRAMに保存しておいた作業経過に基づいて下した判断)からの指示によってCPUがVRAMに変更を加えること,毎秒決められた回数ディスプレイが表示を繰り返していることなどによって可能になるのでした.
要するに,入力の内容をCPUで処理をした結果がディスプレイ上に表示されている,ということです.
このような入力作業と表示作業の独立性は,人手で文字や図などを処理する場合との決定的な違いと言って良いでしょう.
コピー,削除,移動,挿入,修正などが容易なのは,パソコンによる文書作業の特徴です.そのお陰で,気軽に間違えることができます.
実は,これも入力作業と表示作業の独立性から来ることなのです.つまり,ディスプレイに表示している内容に直接入力作業をしているのではないからできることなのです.
文書の一部のコピーと削除では,結果として作られる文書が大きく異なるのですから,それを実現するプログラムも違っているはずです.
このことは,メニューから1つの機能を選択することは,プログラムを,選択された機能に合うものに切り替えることだということに,あらためて気づかせます.
特殊キーがショートカットとして有効なのは,これを押すことによって,入力を処理するプログラムを切り替えることができるからなのです.ワープロを使っている時に,ウィンドウキーを押すとスタートメニューを表示する,というように処理を変えるのです.