ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

初期化

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.23 バイオスの既定値データがCPUに接続されている装置を教える

どのような装置が接続されているかの判断を,CPUはバイオスプログラムに含まれている初期化のプログラムを利用して行いますが,それには,バイオスROMに記憶した既定値データを利用します(1.20参照).

ところで,パソコンに接続する装置は利用者がいろいろ変更できます.そのためにバイオスの初期設定データを変更するプログラムが,どのパソコンにも購入した時点から既に組み込まれています.

これを(バイオス)設定ユーティリティといいます.バイオスプログラムの一部です.

設定ユーティリティは電源を入れた直後の短時間だけ起動できます.どうやって起動し,初期設定値を変更するかは,購入時に付属してくる取扱説明書に書かれています.

写真8は写真3のパソコンの設定ユーティリティを起動した時に表示される画面です.このパソコンでは,電源オンの直後に,キーボードの「Delete(デリート)」と書いてあるキーを押すことで,設定ユーティリティを起動することができました.

写真8では,一番上の青色の部分に白抜きで左から右に表示されているのは,メニューの選択肢です.明るくなっている選択肢Main(メイン)が選択されており,その作業画面がいま表示されています.


写真8

 

写真 8 設定ユーティリティのメイン画面

 この画面ではバイオスのバージョン(いつ作られたバイオスプログラムかを示す),CPUの情報,メモリの情報,このコンピュータのカレンダーと時計に設定されている年月日と時分秒を知ることができます.

黒文字部分が設定ないし選択することが可能な設定値です.黒くハイライトされた部分(黒い地に白抜きの文字が表示されている)の意味の説明が右半面に表示されます.

1.20 バイオスはまず基本入出力装置を利用可能にする

バイオスプログラムに書かれている最初の処理はポスト処理といいます.ポストPOSTは「電源オン時自己検査」の意味の英語の頭文字を並べたものです.

この処理では,まず,RAMが正常であるかをチェックし,RAMの容量を調べます.電源オンの直後にROMを調べています(前項)から,これでCPUが直接使えるRAMとバイオスROMの大きさが確定します.

 その後に,必須の入出力装置がつなげられていることを確認します.必須の入出力装置とは一般に,1つの入力装置(キーボード),1つの出力装置(ディスプレイ),基本ソフトウェアをRAMに装填(1.14参照)するためのプログラムが記憶されている装置(ハードディスク等)です.これらをブート装置といいます.ブートストラッピングに必要な装置だからです.

なお,マウスはブート装置ではありません.なぜなら,マウスを使うのはウィンドウズOSが動き始めてから後のことだからです.マウスは,基本ソフトウェアが働き出すときに使うための準備をすれば間に合います.

次に,ブート装置を使う準備をします.これを初期化といいます.

接続されているブート装置がどのようなものかは,実はバイオスに既定値データとして書き込まれています.「既定値」とは,あらかじめ決められた値のことを言います.情報処理用語ではデフォールトとも言います.

この既定値は,新品のパソコンでは,メーカがセットで販売する標準のブート装置に設定されています.

 実際には既定のものとは異なる装置がブート装置として接続されているという場合には,この規定値を,POST処理の途中でキーボードからの入力によって書き換えることができます.具体的には1.23からの3つの章で説明します.
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ヤッキー

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