ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

内部クロック

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.29 CPU内の記憶装置はRAMよりも速く読み書きができる

1.28に述べたことから分かるのは,CPUにとって記憶(しているデータ)はきわめて重要な財産だ,ということです.そして,賢く見せるためには,記憶装置から必要なデータを検索して取り出したり,計算したりすることが超高速にできなければなりません.

ところが,記憶装置は,読み書きのスピードと記憶容量の大きさとが,トレードオフの関係にあります.トレードオフの関係とは,一方にとって都合が良ければ,他方にとっては不都合になる関係を言います.なお,記憶容量とはある記憶装置が記憶できる最大のデータ量を言います.

パソコンや周辺装置の中で,もっとも高い処理速度を持っているのはCPUです.CPUは高価ですから,その高い処理速度を効果的に活用しなければなりません.

そのためにはプログラムやデータの読み書きのスピードがもっとも重要です.記憶装置から指示や必要なデータを受けとって処理をし,その結果をまた記憶装置に書き込む(つまり,イマコする)のが,CPUのデータ処理の基本だからです.

その時に使う記憶装置が主記憶装置ですから,主記憶装置には読み書きのスピードが最も速い記憶装置であるRAMを使います.

最近は主記憶装置の容量を,従来に比べると極めて大きくできるようになりました.そのためRAMの製造費を下げるためにスピードを犠牲にする傾向があります.

その代わりにCPUと主記憶装置の間にキャッシュメモリと呼ばれるより高速のRAMを置きます.ただし,高速にするためにキャッシュメモリの容量は主記憶装置にくらべて大幅に小さくなります.

キャッシュメモリはCPUダイ1.5参照)に一体化して製造されることが多くなっています.容量的には数MB,つまり,数百万バイト程度です.おおざっぱに言えば,主記憶装置の1000分の1程度の容量です.読み出し,書き込みの速度はCPU内部クロックと同程度で,極めて高速です.

1.13 パソコンにも脈拍がある

CPUは,数億のトランジスタが接続された電子回路で構成されています.だいたい,数億個ものトランジスタからなるCPUが間違いなく処理を実行できるのは驚異的です.人間ならたった二人でも足並みを揃えるのは難しいのですから.CPUはなぜこんなことができるのでしょうか.

それはCPUを構成するすべての部品の足並みをそろえる仕組みがあるからです.この仕組みは,基準となる電気信号を利用しています.それはオンとオフを繰り返す周期的な信号です.

この基準となる電気信号をクロックといいます.クロックは本来は時計を意味する英語ですが,ここではむしろオン,オフのキザミのことをいいます.通常,CPUはクロックのオン・オフのタイミングに合わせて処理を進めます.

オン,オフの1秒間あたりの繰り返しの回数をクロック周波数といいます.クロック周波数が高ければ高いほどオン,オフの回数が多いのです.ですから,大まかにいえば,クロック周波数が高いほど,処理の早いCPUということになります.

パソコンの性能を代表する特性は,その処理の速さです.上述のように,CPUのクロック周波数はパソコンの処理の速さを決定する大きな要因です.

ここまで話題にしてきたのはCPUがその内部で処理をするときのクロックです.これを内部クロックといいます.「内部」とことさらに付けるのは,「外部」があるからです.

CPU外部クロックとは,CPUが,他の装置とデータをやりとりするときに使うクロックです.他の装置とは,例えば主記憶装置RAMです.RAMも電子回路でできていますから,CPURAMはタイミングを取りながら処理を進めます.このときに基準として使われているのが外部クロックです.

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