ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

不揮発性

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.32 記憶を階層化する(長期記憶←→短期記憶←→CPU)

パソコンの記憶装置として使えるものもは,1.30で述べたように多様ですから,目的に応じて使い分けます.この点を本項では検討します.

私たちの脳には,ある事柄が進行中の間だけ,それに関係する情報を記憶する短期記憶と呼ばれる機能と,当面の事柄には関係しない情報も長期間保持する長期記憶と呼ばれる機能があるとされています.

このこととの類推で考えるなら,キャッシュメモリ,RAMは短期記憶と言えます.実際,これらの記憶装置はCPUが直接読み書きするのに利用しますので,基本ソフトウェアや実行中のプログラムが必要とする間だけ,記憶を保持すればよいのです.

そのためこれらの記憶装置は揮発性でも問題ないのです.なお,短期記憶に利用されるこれらの記憶装置は純電子的なものです.高速に読み書きでき,消費電力が少ないのはそのためです.

これに対して,ハードディスク,フロッピディスク,CD-ROMDVDなどの記憶装置は不揮発性ですから,長期記憶のために利用できます.

これらは電気機械的な装置です.どれもモーターで記憶媒体を回転させてデータの読み書きをしますから,読み書きは相対的に時間が掛かり,消費電力も相対的に大きいのです.

パソコンではCPUを頂点にして,その下に短期記憶を置き,さらに下に長期記憶を置くというように,記憶装置を階層化して利用します.

長期記憶の内容を利用するには,いったん短期記憶に写します.その理由は,長期記憶は,前項で説明したように一括して読み書きされるため,CPUの4バイトや8バイトづつの処理が効率よくできないからです.
  キャッシュメモリや
RAMといった短期記憶の内容で保存が必要なものは,電源をオフにする前に長期記憶装置に移動します.そうしなければ,次に必要になった時に,その記憶をか回復することができないからです.

1.30 記憶装置の速さと容量の違いから見た階層

CPUが処理をする時には,高速な記憶装置が必要でした.しかし,補助記憶装置はキャッシュメモリやRAMほどの読み書き速度がどうしても必要だというわけではありません.CPUが処理をする時には,プログラムやデータをRAMに取り出してから使うからです.

RAMが記憶しなければならないのは,CPUが現に処理しているプログラムやデータだけです.これに対して補助記憶装置は,いくつものプログラムや,蓄積した大量のデータを記憶することが必要になります.様々なプログラムや大量のデータを記憶しておく補助記憶装置はRAMに比べて,より大きな記憶容量を持つことが求められます.

補助記憶装置に記憶したプログラムやデータは,電源をオフにした時に消えてしまっては困ります.なぜかというと,補助記憶装置はCPUが処理しようとするプログラムやデータをRAMに取り出すための,保存用の装置として利用するものだからです.

例えば,ブート可能な装置を考えてみれば,このことは明らかでしょう.

このような,電源をオフにしても記憶した内容が保存される記憶装置は,不揮発性であるといいます.

これに対してキャッシュメモリやRAMのように電源オフとともに記憶した内容を失ってしまう記憶装置を揮発性であるといいます.

不揮発性で大容量の記憶装置としては,現在ハードディスク装置が最も広く使われています.ただし,ハードディスク装置は,記憶の原理には磁気を利用していても,読み書きの仕組みは機械装置です.それで衝撃に弱い上に,消費電力が大きく,読み書きの速度が遅いという弱点があります.

最近は,半導体で作られた不揮発性で大容量の記憶装置が使われるようになりました.このような記憶装置を,一般に半導体メモリと呼びます.

半導体メモリの多くはフラッシュメモリを使いますUSBメモリと呼ばれる携帯用の記憶装置はその例です.最近では数GBから数百GBもの容量のUSBメモリが市販されています.

USBメモリの他にも,SDやメモリースティックなどのメモリカードSSD(半導体ディスク装置)などはフラッシュメモリを使っています.


図3

 

3 記憶装置の階層

半導体メモリはRAMとハードディスク装置の中間の容量や速度を持ちます.記憶保持期間(書き込んだ記憶が持続される期間)は,数年から数十年程度と言われています.

最近では,ブート可能な装置してフラッシュメモリを搭載する小型ノートパソコンも増えています.半導体メモリが,なぜハードディスクと同じように使えるのかというと,それはデバイスドライバ1.39参照)のお陰です.

図3は以上のような様々な記憶装置を容量と速度に基づいて整理したものです.

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