OSは実行すべき多数のプロセスを抱えています.それらのプロセスの内,現に実行中のプロセスと交代に次に実行すべきものはどれかを決めるのが,T2の問題(2.21参照)です.
たくさんあるプロセスの中には,即時の対応が必要なもの,遅れても支障のないものというように,さまざまな緊急度のものがあります.
そこで,ウィンドウズのOSでは,各タスク,サービスに対して,処理の優先度を割り振っています.優先度は32段階あります.
起動中のプロセスの中で最も優先度の高いタスクやサービスのものに対してCPUを優先的に割り当て,それらのタスクやサービスがCPUを必要としなくなったら,次の優先度のタスクやサービスにCPUを割り当てる,という方法をOSは採用しています.
優先度が最も高いタスクが複数ある場合には,割り当てたクオンタムずつそれらのタスクを順番に処理します.割り当てるクオンタムを,同じ優先度でもフォアグラウンドのタスクには多く,バックグランドのものには少なくすれば,CPUを使用する割合を変化させることができます.
優先度の高いタスク,サービスから処理する方法だと,優先度の低いプロセスはいつまでもCPUを割り当ててもらえないという状況が発生する可能性があります.そこで,長期間(例えば数分間)CPUが割り当てられないプロセスがあれば,その優先度を自動的に高めるという仕組みがOSには組み込まれています.
図11のタスクマネージャの「プロセス」タブの表示には,「CPU」欄があります.これはCPUの処理能力の何%が,そのプロセスによって消費されているかを示します.
大部分のプロセスのCPU欄はゼロで,少数のプロセスにだけCPUが割り当てられているのが判ります.これはT3の問題への解答を示していますので,次項で説明します.