ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

バイト

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.31 大容量の記憶装置の読み書きには一括処理を使う

本項では,読み出し・書き込みをする際の記憶の量の面から考えます.

最近のパソコンのCPUには,4バイト(32ビット)を一括処理するように設計されたものと,8バイト(64ビット)を一括処理するように設計されたものがあるのですが,いづれにしろ,CPUこれらの単位ごとのデータを,極めて高速に処理します.

したがって,CPUに直接データを提供する記憶装置は,高速で,4バイトまたは8バイトのデータを個別に扱うことができるものであることが必要です.キャッシュメモリやRAMはそうした記憶装置です.

もともと,RAMという略語は,1つ1つの記憶をバラバラな順序で読み込み・書き出しができる記憶装置という意味の英語の頭文字を並べたものです(1.6参照).

補助記憶装置の記憶を利用する時には,CPUは前もって,その記憶をRAMに取り出しておく必要があります.

このことは,補助記憶装置の記憶をRAMに取り出すことをCPUに指示するプログラムがあることを意味します.利用する「記憶」が基本ソフトウェアの場合にはブートローダがそのプログラムですし,応用プログラムの場合には基本ソフトウェアがそのプログラムに当たります.利用する「記憶」がデータの集まりであれば,そのデータを利用するプログラムがそれに相当します.

 

補助記憶装置はCPUの処理速度にくらべて格段に遅いので,そのデータを読み書きするときにCPUは,読み書きの原因となったこれらのプログラムの実行を一時中断して,補助記憶装置からの応答を待たなければなりません.中断する時間は1000分の1秒とか,10000分の1秒でも,CPUの処理のスピードをもってすれば,多くのことができる時間です.

従って,この中断回数をできるだけ少なくすることは,CPUの有効利用を高める上での大きな問題となります.そのため一般に,補助記憶装置の記憶を読み書きする時には,数キロバイトから数十キロバイトのデータをひとまとまりにして一括して行います(第2部2.37参照).

1.14 パソコン世界の尺度は人間世界と「10億」で結ばれる

CPUの速さは,通常,内部クロックの周波数で示します.最近のCPUの場合,内部クロックの周波数は数GHzギガヘルツ)です.「ギガ」は10億(109)を意味します.

お金の「10億」はビリオンですが,コンピュータの世界ではギガを使います.例えば,クロック周波数が3GHzであるとは,オン,オフの切り替えを1秒間に30億回行うということです.

クロック周波数が1GHzの場合,オン,オフの1周期は1ナノ秒,つまり,10億分の1秒です.光速は秒速30kmですから,これは光が30cm進む時間です.3GHzの場合には,光が10cm進む時間で1周期ということになります.

CPUを構成するトランジスタの個数も,億の単位でしたね.なお,写真4に示したソケットはセレロンというCPUのものでした.このセレロンのクロック周波数は133MHz(メガヘルツ)です.メガとは100万のことで,133MHz0.133GHzです.

 

私たちの脈拍は,文字通り,私たちの生活のペースを作るものです.正常な脈拍は1分間に70回位でしょうか.おおざっぱに言うと毎秒1回,つまり,1Hzです.

内部クロックが3GHzCPUの脈拍はその30億倍です.これは私たちにとっては文字通り,目にも留まらぬ速さです.1つ1つの処理の区切りを見分けることはとてもできません.

良く知られているように,テレビの画面は私たちの目の残像を利用しています.毎秒数十回のペースで画面を書き換えると,私たちの目は残像のために,切り替えられた一枚一枚の画面を見分けることができません.そのことがあたかも画面の中で被写体が連続的に動いているように感じさせるわけです.つまり,錯覚を利用しているのです.

パソコンが時には万能に思えたりするのは,実は,30億倍というペースの違いから来る錯覚なのです(1.28参照).

記憶装置の容量,つまり,どれだけのデータを記憶させることができるかは,代表的な数値で言えば,RAMは数GB(ギガバイト),USBメモリは数十GB,ハードディスクは数百GBです.なお念のために確認しておくと,バイトbyte01の8桁のことです.

記憶装置の容量も10億(109)を単位にして数えられる大きさなのです.ただし,記憶容量の場合,1024=210を単位として数えていく習慣なので,正確には1GB10243=230バイトになります.

最近のCPUの配線の太さは数十ナノメートルnm)です.1ナノメートルとは10億分の1(10-9)メートル(m)です.1メートルが人に見合った長さの単位と考えれば,パソコンに見合った長さの単位は,人並みの10億分の1です.なお,1メートルは103ミリメートルですから,1ナノメートルは,1マイクロミリメートル(10-6mm)です.

パソコンの世界は人並の大きさに比べると,小さい方の長さや時間はナノ,つまり10億分の1(10-9),大きい方のクロック周波数や記憶容量は,ギガ,つまり,10億倍(109)のあたりなのです.

プロフィール

ヤッキー

カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ