ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

タスク管理

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

2.19 タスク管理とメモリ管理が複数のプロセスの並列処理を可能にする

タスクマネージャの「プロセス」タブを選択すると,そこには驚くほど多数のプロセスが一覧表示されます.その多くはサービスに対応します.

CPUは一度には1つのことしかできません.それなのに数十個ものプロセスを並行して実行しているとは,一体どうやったらそれが可能なのでしょう.

それがOSタスク管理とメモリ管理が行っていることです(2.11参照).

以下では簡単のためにタスク-プロセス-スレッドの関係が1対1になっているとします.つまり,タスクの起動・終了は,同時にプロセスの起動・終了であり,それはさらにスレッドの起動・終了でもある,という状況を想定して話を進めます.

ここではタスクを念頭において話を進めるのですが,1つのタスクが1つのプロセスに対応するのですから,これからお話しすることはまさにプロセス管理に関するものです.さらに,1つのプロセスの実行は1つのスレッドで行われるのですから,プロセス管理の説明はスレッドの管理の説明でもあるということになります.

電源を入力した後,CPUはブートストラッピングを行い,利用者からの入力待ちの状態になります.この時すでに多数のサービスが実行されていますから,RAMにはこれらのサービスのプログラムやデータ,すなわちプロセスが装填されています

利用者の起動するタスクが,そこにさらに装填されます.

このときOSは,RAMをどのように使い分けるかに関する,いくつもの問題を解決する必要があります.これらの問題を解決するのはメモリ管理2.262.33参照)の機能です.

そして,求めた解決策に従って,OSは,実際にプログラムやデータを装填して起動します.

こうして,OSはタスクとサービスに対応する多数のプロセスを実行している状態になります.それがマルチタスク環境のありふれた姿です.

 しかし,まだ問題があります.それはCPUがどうやって多数のプロセスをこなすかです.それを次項以降で説明します.

2.16 多数のタスクの実行状況はタスクマネージャで観察する

マルチウィンドウは,デスクトップに表示されるウィンドウを観察することで実感することができますが,マルチタスクはどうでしょう.「何のこっちゃ」という感じがあるかも知れませんね.なにせ,タスクはパソコンの内部に存在し,目で具体的に見ることができませんから.

多数のタスクの実行を管理するためのツールがタスクマネージャと呼ばれるソフトウェアです.これを使えば,タスクを見ることができます.

タスク管理OSの重要機能の1つでした(2.11参照).このことから,タスクマネージャは制御プログラムの一部であることが判ります.

タスクマネージャのウィンドウを表示する方法の1つは,タスクバーの空白部分にマウスポインタを移動して右クリックすることです.こうすると現れるポップアップメニューにタスクマネージャを起動する選択肢があります.これを選択するとウィンドウがポップアップしてきます.

図11

11 タスクマネージャとプロセス一覧

そこにはタブがいくつか表示されています.その中の「アプリケーション」タブを左クリックしてみましょう.すると,そこには今タスクバーに表示されているウィンドウボタンに対応するタスクが一覧表示されます.図11の左上の方にそのタブが見えます.

  「アプリケーション」のタブで,「タスク」の情報が表示されるのは,タスクが利用中の応用プログラムすなわちアプリケーションに対応しているからです.

2.11 制御プログラム(OS)の基本機能は5つです

基本ソフトウェアはいろいろなソフトウェア(=機能)を含みますが,パソコンとの対話を考える時に特に重要なのは制御プログラムです.以下では,単にOS といえば制御プログラムを指すものとします.

ウィンドウズOSGUIによって利用者とパソコンのコミュニケーションを実現しているという事実は,OSの基本機能の1つにパソコンへの入出力の管理があることを示しています.

第1部では,バイオス,ブート装置,その他の周辺装置とCPUのコミュニケーションの仕組みを概説しましたが,これもOSが行う入出力管理の一部です.

バイオスの説明(1.231.25参照)では,主記憶装置やCPUに接続されている周辺装置の種類,性能,コネクタ等についてのデータが提供され,それに基づいてCPUがこれらの機器とコミュニケーションをすることも見ました.これは構成管理の例です.

すなわち構成管理は,CPUを中心としてどのような機器がパソコンのシステムを構成しているか,そして,それらの機器をどうやって使い分けるかを管理の対象にします.構成管理もOSが果たす重要な機能の1つです.

通信機能は,入出力機能を遠隔地にある装置との入出力に拡張したものと言えます.通信管理OSの機能の1つです.

インターネットの利用は,この通信機能に全面的に依存します.

 

1 OSの主要な5つの機能

入出力管理             構成管理            通信管理

タスク管理            メモリ管理

 

タスクバーの説明(2.6参照)から判るように,ウィンドウズOSCPUが実行するソフトウェア,つまりプログラムと処理するデータの管理もします.これをタスク管理といいます.

  OSのもう1つの重要な機能はメモリ管理です.タスク管理とメモリ管理は密接に関連しながら,パソコンが同時並行的に多数の仕事を処理することを可能にします.詳細は項をあらためて説明します.
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