特定のファイルを指定するには,「どのドライブのどのフォルダのどのファイル」というように記述します.この記述のルールは次のようになっています.
・ ルートフォルダには名前が無く,\(半角の円記号)で表します.
・ あるフォルダの直下のサブフォルダは,そのフォルダ名の右側に「\サブフォルダ名」と書いて表します.(ルートフォルダ直下のサブフォルダの場合は単にフォルダ名を書きます.)
・ あるフォルダの中のファイルはそのフォルダ名の右側に「\ファイル名」と書いて表します.例えば図15の場合,
C:\users\seki\My Documents\abc.doc
は,C:ドライブのルートフォルダ直下の「users」フォルダ直下の「seki」フォルダ直下の「My Documents」フォルダ直下のabc.docと言う名前のファイルを意味します.(abc.docファイルは図には書かれていません.)
図15(再掲)
・ カレントフォルダとは,その時にOSが注目しているフォルダを指します.カレントフォルダはピリオド(.)で示します.ですから「.\xyz.doc」は,OSが現在注目しているフォルダの直下のxyz.docという名前のファイルを意味します.「OSが注目している」とはどういうことかは2.??で説明します.
・ カレントフォルダの親フォルダをピリオド2つ(..)で示します.ですから,カレントフォルダがMy Documentsフォルダである時には,
..\abc.doc
と指定すれば,これはsekiフォルダのファイルabc.docを指します.
・ カレントフォルダを基準にしてフォルダを指定する記述を相対パスといいます.「..\abc.doc」は相対バスです.これに対してルートフォルダから始めてフォルダを指定する記述を絶対パスとかフルパスと言います.この場合の「絶対」や「フル」とは「完全な」の意味です.上述のC:で始まる例は絶対パスです.
・ ドライブの指定を省略してルートフォルダから書き始めたパスも絶対パスと言います.
エクスプローラは絶対パスを表示して,それが示すフォルダにあるファイルの情報を一覧表示します.そこに示されるファイルに関する情報は,絶対パスも含めて,補助記憶装置の「決まった位置」(2.36参照)に記憶してあるファイルの配置表を利用してOSが獲得するものです.
ですから,あなたがファイル名をクリックした時,OSは絶対パスも同時に分かります.この仕組みがあるので,アイコンやファイル名をクリックした時,パソコンが正しくそのファイルのプログラムやデータを取り出せるのです.