ページレイアウトと段落やフォントに関することを決めることで,文書の見栄えがおおよそ決まります.あとは,文章を入力すると文書ができてくるということになります.
私たちがワープロを使うとき,これらの事柄についていちいち決めなくて済むのは,既定値があるからです.
もし,自分の思い通りのみばえ(つまり,書式)の文書を作りたいと思えば,既定値を変える必要があります.それはワープロのメニューの「書式」とか「書式設定」というようなところを使えばできます.
ところで,ワープロでは,地とは異なる表現様式のデータをオブジェクトと呼びます.
オブジェクトを本文の中にどのように配置するかは,それぞれの表現様式の「書式」メニューや「プロパティ」メニューで指定することができます.このことは,オブジェクトが表の場合について,3.14ですでに述べました(プロパティについては2.7も参照のこと).
オブジェクトのレイアウトに関して指定する基本的な事柄には,オブジェクトの大きさおよび文章との位置関係があります.しかし,オブジェクトの種類によっては,他にも多くの指定すべき項目があります.それらの項目についても,たいがいは既定値が与えられていて,必要な時だけ変更します.
図の一種であるグラフであれば,レイアウトの他に,グラフの種類,座標軸にとる変数,グラフの線質,目盛りの取り方,各軸につける見出しなどに関する書式の指定が必要です.
表であれば,行の本数と高さ,列の本数と幅,行や列の仕切り線の書式,セルの中の文字の配置,文字のフォントなどを指定します.
すでに述べたように,文書作成ソフトウェアは,作成した文書をファイルにして保存し,拡張子でそのファイルフォーマットを明示します.ソフトウェアに固有のファイルフォーマットを使うことが多いですが,業界標準的なファイルフォーマットを指定して保存することができるソフトウェアも多いのです.
例えば,文書の標準のファイルフォーマットとして拡張子pdf(2.40参照),odt(オープン ドキュメント テキスト)やrtf(リッチ テキスト フォーマット)で示されるものがあります.
これらは多くの文書作成ソフトウェアが対応しているので,編集が可能な状態のままで,相手が使っている文書ソフトウェアが分からない相手とファイル交換することが必要な時に利用されます.