パソコンで仕事をする時,私たちはパソコンの情報システムを構成する3種類の資源を利用します.
それを可能にしているのは基本ソフトウェア,特に,制御プログラムOSです.
OSはパソコンの情報システムと私たちが対話をするための,言葉を提供します.それはOSが持っているコマンドです.
近年のパソコンのOSは,コマンドを150個以上も持っています.コマンドを,コマンドプロンプトに応じて入力することで,私たちはパソコンにさまざまな指示をすることができます.
このようなやり方でOSと対話する方式をCUIと呼びます.「C」は「文字」の意味の単語の頭文字で,CUIは文字によるパソコンとの対話を意味します.
これに対して,私たちが馴染んでいる,マウスのクリックを利用してOSに指示をする方式をGUIと呼びます.「G」は「図的な」ものを意味する単語の頭文字で,GUIはアイコンやメニューによる対話を意味します.
GUIを通して行えることは,おおむね,CUIでも行えることを見てきました.しかし,GUIとCUIの大きく異なるところは,前者がマルチウィンドウ,マルチタスクの仕事環境を提供していることです.
これを可能にする重要なOSの機能は,タスク管理とメモリ管理です.タスク管理は,複数のタスクを並行的に処理することを可能にし,メモリ管理は,複数のタスクの各々に利用するソフトウェアを,並行的にRAMに装填することを可能にします.
ファイルは,ソフトウェアやデータを補助記憶装置に記憶したものです.それに対してフォルダは,多数にのぼるファイルを分類したものです.フォルダは,そこに含まれるフォルダの小分類であるサブフォルダを含むことができます.
フォルダは,そこに分類されたファイル(やフォルダ)の一覧表と考えられます.
私たちがパソコンを利用して仕事をする時,それに必要なプログラムやデータを与える必要があります.それは,プログラムやデータをファイルとして補助記憶装置に記憶し保管することによって可能になります.
つまり,私たちは「ファイル」という形態を用いて,パソコンと対話するのです.プログラムのファイルを与えて,「このような仕事をして下さい」と指示し,データのファイルを与えて,「これを対象にして仕事をしなさい」というのです.
ところで,パソコンで私たちが使うソフトウェアの多くは, CPUの超高速処理の能力を利用して,私たちが行う仕事の決まり切った部分を自動処理させるものです.決まり切っていないところは,私たち利用者が自分で行わなければなりません.
そこで,私たちの仕事全体の中で,決まり切った部分はどれで,そうでないところはどれかを,分類し切り分けて,整理します.そして,決まり切った部分をプログラムにし,その機能をメニューの選択肢に用意して,私たちに選択させて,自動処理の指示をさせます.
そのため,私たちの仕事の「決まり切った部分」とそうでない部分を明確することが,ソフトウェアを利用するための基礎になります.第3部ではこれをテーマにします.