図10の,前項で指摘した2つのファイル名の上に並んでいる多数の行は「フォルダ名」というものを一覧表示したものです.本項ではフォルダの説明をします.
ファイルは補助記憶装置から読み書きするソフトウェアやデータの「ひとまとまり」なのですが,実はファイル名だけだとファイルの個数が増えた時に,必要なファイルがどこにあるかを見つけるのが大変です.
最近のパソコンでは,ファイルの個数が数千になるのは珍しいことではありません.その中から1つのファイル名を探し出す大変さを想像してみて下さい.
その解決には,ファイルを何かの基準で分類します.分類したひとまとまりがフォルダです.ディレクトリという場合もありますが,意味は同じです.フォルダに付けた名前がフォルダ名(ディレクトリ名)ですが,これは分類を示す名前です.
私たちは何かを整理する時,対象が多くなると何段階かにわたって階層的に分類します.
生物という分類の中に動物や植物という中分類が入っています.動物という中分類の中にほ乳類,は虫類,両生類などの小分類が入ります.
フォルダも同じように,大きなフォルダ(大分類)の中に小さなフォルダ(中分類)を入れるというような分類をします(図15).
図 15 フォルダとファイルの階層的な構造
小さな方を大きなフォルダのサブフォルダ(サブディレクトリ)と言います.それを入れている大きな方のフォルダを親フォルダ(親ディレクトリ)と言います.
一番大きなフォルダをルートフォルダといいます.ルートとは「根root」のことです.さまざまなサブフォルダに分類する根元に当たるフォルダの意味です.(道路のことを「ルート」と言いますが,これはrouteで,まったく別です.)
すべてのファイルはルートフォルダか,そのサブフォルダに分類されます.