ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

GUIとCUI

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

2.10 GUIはパソコンの普及より前に発明されていた

ウィンドウズOSは,MS-DOSを基本ソフトウェアとするパソコンにGUIの機能を付加する応用プログラムという形態から発展しました.

このような経過になったのは,実は,パソコンの発展とは直接的には関係のないところで,先進的なコンピュータ技術者達が,利用者とコンピュータのより使いやすいインターフェースを求めて研究した成果がGUIだったからなのです.

 GUIを実装したアルトが公開された1973年は,MS-DOSの先祖となったCUI方式の基本ソフトウェアCP/M(シーピーエム)が現れる数年も前のことです.

アルト開発の中心になったのはアラン ケイです.ケイの研究グループは,利用者1人1人が占有するという意味での「パーソナルなコンピュータ」を目指していたのでした.現在私たちが使っているノートブックタイプのコンピュータの概念を最初に提案したのはこの研究グループなのです.

なお,ケイは1967年にたエンゲルバートによって発明されたマウスを知って大いに影響を受けたと言われています.マウスも実は,パソコンよりも前に発明されたものなのです.

このアルトのインターフェースに見られる,GUIの考え方は,いわゆるパソコンの世界では,まずアップル社のパソコンで実現され,後に,MS-DOSのパソコンにも導入されたのです.

以上から判るように,ウィンドウズOSGUIを利用して利用者の指示をCPUに伝えるようにした基本ソフトウェアの一種です.スマートホンやタブレットPCGUIを利用するパソコンと見ることができます.これらにはウィンドウズOSを使わないものが多いことからもわかるように,GUIを利用するパソコンの基本ソフトウェアは多数あります.

  なお,パソコンとして流通しているわけではありませんが,携帯電話やタブレット端末などの携帯端末の多くもGUIを利用していますね.

2.9 GUIが実用化される前にはタスクをキーボードで開始しました

GUIのインターフェースを実用化したウィンドウズOSが普及する前の基本ソフトウェアのインターフェースは,文字をキーボードで入力し,また,文字出力をディスプレイに表示するものが一般的でした.

このような基本ソフトウェアでは,絵や図は使わず,したがって,マウスは使えず,標準的には入力はキーボードだけ,ディスプレイの表示は文字だけで,一行づつ表示しました.

このようなインターフェースをCUI(シーユーアイ)といいます.Ccharacter(文字)の頭文字です.CUIは「文字による利用者とのインターフェース」を意味する英語の頭文字を取ったものです.

もともとのCUIでは,1行分が表示が済んで次の行にカーソルが移動してしまうと,前の行に戻ることはもうできませんでした.

これはGUIでは,マウスカーソルを画面の好きなところに移動させ,その場所での操作を行うことができるという柔軟性と大違いですね.

CUIを利用する基本ソフトウェアの代表例は,MS-DOS(エムエス-ドス)です.これがどのようなものか判らなくとも,皆さんは一度はこの名前を聞いたことがあるでしょう.これはマイクロソフトの創立者の1人であるビル ゲイツが開発した基本ソフトウェアです.

このネーミングは,基本ソフトウェアがブートストラッピングによってRAMに装填されることと密接な関係があります.実は,DOSの先頭の「D」は,ディスクdiskの頭文字です.

DOSとは,ブート可能な装置としてフロッピディスクやハードディスクを利用する基本ソフトウェアを意味します

 CUIがどんな感じのものであるかは,コマンドプロンプト(これが何かも後でのお楽しみ!)を利用して,2.44-2.49で勉強します.

2.8 メニューを使ってタスクを始める方法もあります

前項までに説明したような,アイコンやスタートメニューやウィンドウボタンに操作をするというやり方でCPUとコミュニケーションをするスタイルを,GUI(グーイまたはジーユーアイ)と言います.GUIは「図を利用した利用者とソフトウェアのコミュニケーションのインターフェース」という意味の英語の頭文字を並べたものです.

GUIでよく使うものに,アイコンやボタンの他にメニューがあります.

メニューとは,利用できる機能や内容の一覧表で,そこから選択することで起動あるいは利用出来るもののことを言います.

スタートメニューのように何もないところに立ちあがってくるものをポップアップメニューと呼びます.ポップアップメニューは,デスクトップやウィンドウの下段にあるボタンを右クリックした時に表示されます.

メニューの中には,上から下に垂れるように表示されるものがあります.こういうものはプルダウンメニューと呼びます.プルダウンとは「引き下ろす」の意味です.

プルダウンメニューは一般に,すでに表示されているメニューの選択肢を右クリックあるいは左クリックする場合に表示されることが多いです.

アイコン,ボタン,メニューなどをマウスで操作すると,ディスプレイに表示されている内容から直感的に期待される通りの結果を得ることができます.

GUIの,このような操作感覚をWYSIWYGウィズィウィグ)と言います.これは“What You See Is What You Get.”つまり「見たままが,出来ること」という英語の頭文字を並べたもので,使い勝手の良さの代名詞といって良いでしょう.

 GUIは,パソコンのCPUの処理速度やRAMの記憶容量が大きくなってから実用的に使われるようになったのですが,世界で最初のパソコンが市場に出る前の1973年には,もうGUIのインターフェースを持ったアルトAltoという呼び名のコンピュータが開発されていました.
プロフィール

ヤッキー

カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ