ウィンドウズOSは,MS-DOSを基本ソフトウェアとするパソコンにGUIの機能を付加する応用プログラムという形態から発展しました.
このような経過になったのは,実は,パソコンの発展とは直接的には関係のないところで,先進的なコンピュータ技術者達が,利用者とコンピュータのより使いやすいインターフェースを求めて研究した成果がGUIだったからなのです.
GUIを実装したアルトが公開された1973年は,MS-DOSの先祖となったCUI方式の基本ソフトウェアCP/M(シーピーエム)が現れる数年も前のことです.
アルト開発の中心になったのはアラン ケイです.ケイの研究グループは,利用者1人1人が占有するという意味での「パーソナルなコンピュータ」を目指していたのでした.現在私たちが使っているノートブックタイプのコンピュータの概念を最初に提案したのはこの研究グループなのです.
なお,ケイは1967年にたエンゲルバートによって発明されたマウスを知って大いに影響を受けたと言われています.マウスも実は,パソコンよりも前に発明されたものなのです.
このアルトのインターフェースに見られる,GUIの考え方は,いわゆるパソコンの世界では,まずアップル社のパソコンで実現され,後に,MS-DOSのパソコンにも導入されたのです.
以上から判るように,ウィンドウズOSはGUIを利用して利用者の指示をCPUに伝えるようにした基本ソフトウェアの一種です.スマートホンやタブレットPCもGUIを利用するパソコンと見ることができます.これらにはウィンドウズOSを使わないものが多いことからもわかるように,GUIを利用するパソコンの基本ソフトウェアは多数あります.
なお,パソコンとして流通しているわけではありませんが,携帯電話やタブレット端末などの携帯端末の多くもGUIを利用していますね.