ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

キーボードとタッチパネル

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.46 タッチパネルの仕組みはキーボードと同じです

タッチパネルには,指やペンで押しつけた場所の縦と横の位置が判る仕組みがあります.この仕組みを実現するには,いくつかの電気的磁気的な方法があります.

どの方法の場合も,キーボードの配線図と同じように,縦と横の線が構成する格子点を使います.格子点がキーボードが接続した縦横の配線の交点に相当します.しかし,これを実現するのに使われる媒体が(キーボードの場合と違って)極めて薄く作られており,厚さは100万分の1ミリメートル(10ナノメートル)程度ですから,分子の厚さに近いと言えるでしょう.ほぼ透明ですから,格子は見えません.

格子点が縦横に多数,密に配置されていることと,配線のパネルが極めて薄いことを除けば,仕組みはキーボードの写真11の上段のプリント回路と本質的な違いはありません.指やペンがスイッチの役割をするのです.

タッチパネルには格子がなんらかの方法で実現されていて,どこにタッチしたかが縦と横の線の位置で判るのだ,というところがキーボードと同じ仕組みなのです.

タッチパネルはディスプレイの表面にはめ込まれていますから,ディスプレイのどの画素(ピクセル)が,タッチパネルのどの格子点に対応するかは,固定的に決まっています.

しかも,ディスプレイのどこにどんなアイコンを表示しているか,どんなメニューを表示しているかを,(その指示をした)CPUは知っています.

もう,なぜタッチパネルがCPUへの入力装置となりうるかが判りましたね.そう,タッチパネルの押された位置にあるアイコンが何か,とか,メニューが何かを,CPUはこの対応関係を使って知ることができるのです.

指を動かしたときに,タッチパネルのどの格子点をどんな風にたどったかを知ることができます.どんな風に動いたかに応じて,画面上の表示を移動させたり,拡大縮小させたりするというルール,つまり,プロトコルを決めておけば,CPUはその通りにする事ができます.

もちろんそれが可能なのは,移動や拡大縮小をどうやって判断するのかを,CPUに指示することができるタッチパネルのデバイスドライバのプログラムがあるからです.

画面にキーボードの絵を表示しておいて,タッチしたキーに応じた文字を入力できるようにしたもの,これをソフトキーボードというのですが,こんなことを実現するのは,タッチパネルを使えば難しくないのが,もう判りますネ.

 なお,ディスプレイにキーボードの図を表示しておき,そのキーをマウスで左クリックすることで,入力するものもソフトキーボードと呼ばれます.その仕組みはもう想像できますね.

1.45 タッチパネルは入力装置でディスプレイとは別のものです

タッチパネルは,指や付属のペン(タッチペンとかスタイラスと呼ばれる)で画面の特定のアイコンを押して,使いたいプログラムを起動させたり,あるいは,画面上を移動させることで画面の表示を変化させるのに使います.

最近の携帯電話やスマホ,タブレット端末,携帯端末で良くお目に掛かります.電子ブックのページをめくるのにも使います.

しかし,特に新しい装置ではありません.以前から銀行のATMはこれを使ってきました.ただし,最近は性能が飛躍的に向上しています.

タッチパネルの「パネルpanel」は英語で,板状のものを意味します.したがって,たくさんのキーが付いていて,デコボコしているキーボードと形は似ていません.

しかし,両者は入力装置だという点が共通しています.しかも,入力装置としての仕組みもよく似ています.ノートブック パソコンなどでマウスの代わりに使われているタッチパッドも同様の装置です.

タッチパネルを使うときには,ディスプレイの画面に触っているかのように感じます.しかし実際は,タッチパネルはディスプレイの画面の上に張られた別のパネルで,ほぼ透明な物体です.

ディスプレイと一体化して作る方式もありますが,その場合でもディスプレイとしての機能を持つ部分とタッチパネルとしての機能を持つ部分とは,別々の仕組みになっています.

ディスプレイ出力装置ですから,タッチパネル機能の付いたディスプレイは入力と出力の2つの装置が合体したものです.その場合でも,タッチパネルとディスプレイはお互いに独立に働いています.

ただし,マウスの代わりに使うタッチパッドは表示装置が付いていませんから,もちろん,純粋な入力装置です.

1.44 キーボードのキーは電線を接続するスイッチです

キーボードが押されたキーに対応する信号をCPUに送る装置だということは,既に説明しました(1.36参照).それが可能であるためには,押されたキーがどれかを知る仕組みが必要です.ここではそれを調べます.

写真11に示した実際のキーボードを見てみましょう.上段にはキーボードに組み込まれている配線図を示しました.その右上にある橙色の板がキーに対応する信号を発生する電子回路です.

配線図は実は,縦の線を印刷した透明のプラスチックと横の線を印刷した透明のプラスチックが重ねられています.この配線は,下段に示したキーボードの上蓋の下に組み付けられます.


写真11

  写真 11 キーボードの仕組み

配線の中に見えるは,キーが押されると縦線と横線が接触する点です.こののところで垂直と水平の線が実際に交差しているのが見えると思います.数カ所,線が工作していないがありますが,これは配線図をキーボードの下板に留めるための穴で,キーには対応していません.

それぞれのキーの下には,が来るように位置が決められています.別の言い方をすれば,キーとの1対1の対応関係が決まっています.そこで,この対応関係の表を作っておきます.

二枚のプラスチックは腰が強く,その間にの位置が丸くくり抜かれた,上と下のを接触しないようにするシートが一枚挟まれています.

各キーの下の方は丸い棒のようになっていて,キーを押すとこの棒がの位置を押さえ,それで縦と横のが接触します.つまり,キーはスイッチの役割を果たすのです.

 1つのキーを押しますと,キーに押されて接触した縦と横の線だけに電気が流れます.それを検出して対応表を調べ,押されたキーに対応する信号をCPUに送るように右上の電子回路が作られているのです.
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ヤッキー

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