CPU写真4に示したように半導体でできた電子装置です.しかし,CPUだけではコンピュータが何をやっているのか私たちにはまったく判りません.なんといってもCPUの中で電子が移動するだけですから.これだとコンピュータを使う意味がないことになります.

CPUの行うデータ処理が私たちに役立つためには,その結果が私たちに伝えられることが必要です.また,コンピュータを目的に応じて使うためには,私たちの意思をCPUに伝える方法が必要です.言い換えれば, CPUへの入出力のための,私たちが使える方法が必要です.

キーボード,マウス,ディスプレイはそのためのものです.

一般的には,キーボードとマウスは入力装置であり,ディスプレイは出力装置です.入力装置とはCPUに信号を送る目的に使う装置,出力装置はCPUがデータを送り出す装置です.

マウスはディスプレイに表示される図,これは一般にマウスポインタと呼ばれる,を利用してCPUに対する指示を指し示す装置です.それでポインティングデバイスとばれます(1.3参照).ポインティングデバイスには,マウスや写真2に示したタッチパッドの他にもトラックボールやトラックポイントがあります.

キーボードは文字をディスプレイに表示するものではありませんし,マウスは,ディスプレイにある矢印を動かす装置ではないことに注意して下さい.

キーボードやマウスからの入力データに応じて,ディスプレイに文字を表示したり,ディスプレイ上のマウスポインタ(矢印)を動かしたり,するのはCPUです.

つまり,マウス,キーボードとCPUの間にコミュニケーションがあり,その内容に基づいて,CPUはディスプレイとコミュニケーションを取って,矢印を動かしたり,文字を書いたりするのです.その仕組みについては後の章で詳しく説明します(1.361.37参照).