ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

パソコン世界の尺度

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

1.14 パソコン世界の尺度は人間世界と「10億」で結ばれる

CPUの速さは,通常,内部クロックの周波数で示します.最近のCPUの場合,内部クロックの周波数は数GHzギガヘルツ)です.「ギガ」は10億(109)を意味します.

お金の「10億」はビリオンですが,コンピュータの世界ではギガを使います.例えば,クロック周波数が3GHzであるとは,オン,オフの切り替えを1秒間に30億回行うということです.

クロック周波数が1GHzの場合,オン,オフの1周期は1ナノ秒,つまり,10億分の1秒です.光速は秒速30kmですから,これは光が30cm進む時間です.3GHzの場合には,光が10cm進む時間で1周期ということになります.

CPUを構成するトランジスタの個数も,億の単位でしたね.なお,写真4に示したソケットはセレロンというCPUのものでした.このセレロンのクロック周波数は133MHz(メガヘルツ)です.メガとは100万のことで,133MHz0.133GHzです.

 

私たちの脈拍は,文字通り,私たちの生活のペースを作るものです.正常な脈拍は1分間に70回位でしょうか.おおざっぱに言うと毎秒1回,つまり,1Hzです.

内部クロックが3GHzCPUの脈拍はその30億倍です.これは私たちにとっては文字通り,目にも留まらぬ速さです.1つ1つの処理の区切りを見分けることはとてもできません.

良く知られているように,テレビの画面は私たちの目の残像を利用しています.毎秒数十回のペースで画面を書き換えると,私たちの目は残像のために,切り替えられた一枚一枚の画面を見分けることができません.そのことがあたかも画面の中で被写体が連続的に動いているように感じさせるわけです.つまり,錯覚を利用しているのです.

パソコンが時には万能に思えたりするのは,実は,30億倍というペースの違いから来る錯覚なのです(1.28参照).

記憶装置の容量,つまり,どれだけのデータを記憶させることができるかは,代表的な数値で言えば,RAMは数GB(ギガバイト),USBメモリは数十GB,ハードディスクは数百GBです.なお念のために確認しておくと,バイトbyte01の8桁のことです.

記憶装置の容量も10億(109)を単位にして数えられる大きさなのです.ただし,記憶容量の場合,1024=210を単位として数えていく習慣なので,正確には1GB10243=230バイトになります.

最近のCPUの配線の太さは数十ナノメートルnm)です.1ナノメートルとは10億分の1(10-9)メートル(m)です.1メートルが人に見合った長さの単位と考えれば,パソコンに見合った長さの単位は,人並みの10億分の1です.なお,1メートルは103ミリメートルですから,1ナノメートルは,1マイクロミリメートル(10-6mm)です.

パソコンの世界は人並の大きさに比べると,小さい方の長さや時間はナノ,つまり10億分の1(10-9),大きい方のクロック周波数や記憶容量は,ギガ,つまり,10億倍(109)のあたりなのです.

1.13 パソコンにも脈拍がある

CPUは,数億のトランジスタが接続された電子回路で構成されています.だいたい,数億個ものトランジスタからなるCPUが間違いなく処理を実行できるのは驚異的です.人間ならたった二人でも足並みを揃えるのは難しいのですから.CPUはなぜこんなことができるのでしょうか.

それはCPUを構成するすべての部品の足並みをそろえる仕組みがあるからです.この仕組みは,基準となる電気信号を利用しています.それはオンとオフを繰り返す周期的な信号です.

この基準となる電気信号をクロックといいます.クロックは本来は時計を意味する英語ですが,ここではむしろオン,オフのキザミのことをいいます.通常,CPUはクロックのオン・オフのタイミングに合わせて処理を進めます.

オン,オフの1秒間あたりの繰り返しの回数をクロック周波数といいます.クロック周波数が高ければ高いほどオン,オフの回数が多いのです.ですから,大まかにいえば,クロック周波数が高いほど,処理の早いCPUということになります.

パソコンの性能を代表する特性は,その処理の速さです.上述のように,CPUのクロック周波数はパソコンの処理の速さを決定する大きな要因です.

ここまで話題にしてきたのはCPUがその内部で処理をするときのクロックです.これを内部クロックといいます.「内部」とことさらに付けるのは,「外部」があるからです.

CPU外部クロックとは,CPUが,他の装置とデータをやりとりするときに使うクロックです.他の装置とは,例えば主記憶装置RAMです.RAMも電子回路でできていますから,CPURAMはタイミングを取りながら処理を進めます.このときに基準として使われているのが外部クロックです.

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