内蔵装置を超小型にしてコンパクトに組み込めば,パソコンが小さく出来ることは,容易に想像できます.
いろいろのコネクタや拡張スロットを用意しておくのは,必要に応じて内蔵装置を増強したり,組み替えたり出来るようにするためです.つまり,後から手直しが出来るように作られているために,パソコンが大きく(しかも重く)なっていると言えます.
写真5や 写真6で,左側に見える黄色いラベルが貼られた大きな箱形のモノは何だと思いますか.
実はこれが電源装置です.私たちがコンセントから取る電気は,100ボルトの交流ですが,CPUは数ボルトの直流で作動します.従って,パソコンは100ボルトの交流を数ボルトの直流に変換する装置が必要になります.電源装置はまさにそのためのものです.電源装置は大量の金属を使います.従って重くなります.
ノートブック
パソコンでは,この部分は電源コードについている小箱のような装置(ACアダプタという)が担当しています.ちなみに,ACは「交流」に相当する英語の略語です.そして,蓄電池(バッテリ)が携帯するときの電源になります.このバッテリも金属が必要なので,重くなります.そう,ニッカドとか,リチウムですね.
エネルギー保存の法則というのがあることは,その意味が分からなくとも,皆さん知っていると思います.エネルギー保存の法則のために,電力を消費すれば,熱が発生します.
写真3の電源装置の下面に見える黒い四角いもの(番号4)が,このパソコンの電源冷却用のファンです.これには,当然ですが,モーターが使われています.モーターは磁石を使いますから,これも重くなります.
人は熱くなると心臓がバクバクします.同様に,というのも変なたとえになりますが,CPUのような電子装置は熱くなると「電子」がバクバクします.ところが,CPUというものは電子の動きを制御することによって作動するようになっています.電子がバクバクするとうまく制御できなくなります. つまり,CPUは熱に弱くて冷却が必要です.強力なCPUには大きな冷却力が必要になります.
CD,DVD,ハードディスク,フロッピディスクはどれも記憶する媒体を回転させます.ということは,これらの付属装置にもモーターが使われます.電源はこれらの付属装置を作動させる電力も供給します.ですから,内蔵できる付属装置が多いパソコンほど,電源装置は大きくなります.電源装置が大きくなると,当然ですが,冷却用のファンも強力になります.
また,拡張ボードを追加すると,そのために余分な電力が必要になり,それをカバーできるだけの電源が必要になることは当然です.
こうして,パソコンは大きく,重くなるのです.