パソコンの裸の姿を正しく見るために,間違った先入観をぬぐい去ることから始めることにします.

パソコンに対するいわれない畏れがあるように思われます.

(1)    壊れやすい.
(2)   
万能である.
(3)   
間違わない.
(4)   
知能を持つ.
(5)   
神秘的だ.

パソコンは堅牢なものです.少々のことでは壊れません.もちろん,ハンマーで叩いたり,高いところから落としたりすれば,普通のモノと同じように壊れます.しかし,テレビを扱う程度の注意をすれば,めったに壊れるモノではありません.

そうはいっても,電気で駆動される装置ですから水には弱いのです.これだけは注意する必要があります.水ぬれ注意,というステッカーでも貼っておくのがよいでしょうか.

生まれたばかりの赤ちゃんは誰でも,将来は何にでもなる可能性を持っています.だからといって,赤ちゃんを「万能だ」とは,いいませんネ.同じように,パソコンも何でもできるようになる可能性を持っています.しかし,万能ではありません.できるようになったコトしかできないからです.「コンピュータ,ソフトウェアなければタダのハコ」というのは明らかに言い過ぎですが,万能というよりは,むしろ「タダのハコ」の方が近い表現です.

パソコンは間違えます.実は,人間はある意味では,良くできた情報処理装置です.そのため,「人間機械論」と呼ばれる思想があるくらいです.情報処理装置として見るなら,ある意味で人間はコンピュータよりもはるかに優れています.コンピュータを発明できるくらいですから.それでも,人間は良く間違いを犯します.情報処理機械であるパソコンも,同じように間違えます.

間違いを犯さないようにするには,正しく教育することと,うまく扱うこととが必要です.簡単に言えば,パソコンが間違わないようにするのはアナタの責任なのです.

パソコンに対する教育とは,あなたがやらせたいと思う仕事に適したソフトウェアやデータを与えることです.うまく扱うとは,アナタの望む結果がえられるような操作をすることです.つまりは,正しく扱うことです.その基本については本書から学べるでしょう.

神秘,という言葉は,対象が理解を超えているときに使われる言葉です.ですから,パソコンは神秘的だ,と感じているということは,要するに「分からないヤッチャナ」と思っているというだけです.そんな大したモノでもないな,と感じてもらうのも,このブログの目的の1つです.

ただし,パソコンを通して私たちに提供される情報環境はたいしたものです.このブログは,この環境の仕組みを理解することも目指します.