書式とは,文書のみばえのことです.コンテンツには関わりません.ただし,書式によって,意味が判りやすくなったり,読みやすくなったりします.書式のことを伝統的にはタイポグラフィと言いました.

文書は何枚かのページで構成されます.1枚のこともあれば,1000枚のこともあるでしょう.何頁で構成されていようが,各頁はそれぞれ,文書の基本要素を,どのように配置するかに関する書式を持っています.これをページレイアウトと言います.

ページレイアウトを規定する基本的要因には図20に示したようなものがあります.

    頁の形と大きさ:これは使う用紙の形とサイズですね.代表的なものにA判とかB判があります.我が国では最近はA判が主流ですね.A4サイズが最も良く使われていますが,その半分のA5サイズも比較的使われます.半分に折るとA4サイズ2枚になるA3サイズも使われます.A判は国際規格によって,各サイズの大きさが決められています.日本ではJIS規格で定められています.B判も同様にJISに定められています.欧米の用紙には「レターサイズ」があります.これはA4判の縦を少し縮めて,幅を少し広げた形をしています.

    上下左右の余白:用紙の端の,文書の内容となる文字や図表を書かずに空白にしておく範囲を余白と言います.上下左右の余白が狭く,紙面全体にびっちり文字が書かれた文書はあまり好まれません.私たちは手紙やハガキのような手書きの文書を作るとき,習慣的に自分の好みにあった余白を設定することが多いようです.パソコンで文書を作るときには,私たちがどのように余白を空けたいのかを,ソフトウェアに対して,きちんと指定する必要があります.

    ヘッダーフッター:紙面の上の余白に書く文字列を「ヘッダー」といいます.用紙の下の余白に書くものは「フッター」といいます.それぞれに書かれる内容は,これらの部分を何に使いたいかによって変わります.標準的には,見出し,ページ数,文書の作成日付などに使います.ヘッダーやフッターが書き込まれることを考慮した場合,上下左右にとる余白は,「文書の本文を書かない範囲」という方が適切ですね.

    段組:余白を除いた本文を書き込む範囲を考えます.この範囲をいくつに仕切って使うかが,段数です.二段組みというのは,2つに仕切って使うやり方をいいます.横書きするときには,縦に仕切っていきます.縦書きのときは,(新聞の構成のように)横に仕切って使います.段組という言葉は,ですから縦書きの場合から来ています.対応する英語を直訳すると「列の数」となりますから,これは明らかに縦に仕切ることを念頭においています.2段以上の段組の場合には,段と段の間にどのくらいの余白を取るかも決める必要があります.

    とじ代(しろ):冊子にするときには,右あるいは左側にホッチキスなどで留めます.そのためにとる余白の余裕分をとじ代といいます.


図20
図 20 ページレイアウトを規定する要素