第1部で学んだように,CPUはデータ処理をするとき,イマコI+M+A+C+O)に従います.つまり,入力し,記憶し,処理し,出力する,という処理を制御しながら行う,ということの繰り返しです.パソコンを使うデータ処理には指示やデータの入力と,結果の出力が付きものです.

処理の進め方がイマコに従うのは,利用者がパソコンを使って行う仕事でも,CPUが周辺装置を使う時にも,まったく変わりません.そして,イマコに従うのは,私たちが(パソコン抜きで)何か知的な仕事をする時も同じです.

入力と出力を繰り返すのですから,利用者はパソコンと対話しながら仕事を進めていると言えます.

初心者が「パソコンの使い方が判らない」という時,パソコンになにか現実離れした能力を期待して,ボタン1つで欲しい結果が得られると勘違いしていることが多いものです.

 さて,対話のためには,パソコンがどのような言葉(操作)を理解し,利用者がどのように話しかけて(操作して)くれることを期待しているか,つまり,パソコンがどのような知識を持っているかを知る必要があります.

 ところで,私たちが入力する言葉を理解し,それに応じた処理をするのはソフトウェアです.従って,パソコンの言葉や知識を知るとは,言い換えれば,パソコンに導入されるソフトウェアが,利用者とのコミュニケーションのための言葉として,何を持っているかを知ることです.

図9は,パソコンを利用するとは,私たち利用者がソフトウェアの理解できる言葉で対話することだということを示したものです.

図9



    9 パソコンとの対話と言葉