電車の中や待合室で会社に接続してデータを読んだりする光景を,ひんぱんに目にするようになりました.これはインターネットを使って,地球上のどこかにあるCPUやハードディスク装置を使う姿なのです.

私たちがいつも利用している電子メールもSNS(ブログ,ツイッター,フェイスブックなど)も,私たちのパソコンや携帯電話などを通して遠くはなれた(あるいは,近くの)どこかにあるコンピュータと通信することで実現されています.

このように,インターネットに接続された他のコンピュータやソフトウェアを利用することをクラウド コンピューティングと言います.

世の中にたくさんのCPUやハードディスクが有って,それが互いに通信できるようになっているのがインターネットです.前述の原理からすれば,どのパソコンからでも他のパソコンのCPUやハードディスクを利用することができるはずです.ハードディスクに記憶しているプログラムやデータだって利用できます.

私たちがインターネットに接続して何気なく使っているウェブWebはその身近な例です.

キーボード,マウス,ディスプレイを提供する側のパソコンから見れば,遠くにあるパソコンのCPUやハードディスクを使っています.CPUやハードディスクを提供するパソコンから見れば,利用する側のパソコンに対して,データの処理や記憶というサービスをしています.

つまり,キーボード等を提供しているパソコンを操作している人は,事実上,手元のノートブック パソコンとは別のパソコンを持っている感覚になるでしょう.

このような,あることが実際に起こっているわけではないが,感覚的にはそのことが事実のように思われる,ようにすることを仮想化あるいはバーチャル化といいます.この言葉を使っていえば,クラウド コンピューティングとは,インターネットを介して仮想化を実現した仕組みです.