ゼロからの情報システム

  現代社会の情報インフラの仕組みをゼロから学べます.

情報社会に生きるアナタ.
自動車社会で自動車や高速道路や宅配便のこと知らないで生きていけますか.
情報社会では,スマホやパソコンやインターネットやウェブが,自動車や高速道路や宅配便に相当します.
このサイトは,パソコン使いのパソコン知らず,を対象に情報社会の基盤技術を説明します.

3.22 入力をRAMに記憶することが独立性をもたらす

入力済みの文書に変更を加える前項に述べたような作業は,RAMにすでに記憶してあるデータを書き換えるものです.

ところが,空白のところに新しくデータを入力するのと,すでに有るデータを書き換えるのでは,CPUが行う処理内容が異なります.

編集作業の種類によって処理の内容が異なるのですから,作業に応じてプログラムを切り替えることが必要になります.その切り替えをCPUに指示するために,修正する範囲を選択したり,メニューから適当な編集作業を選択するなどするのです.

こうしてプログラムの切り替えができてしまえば,何しろ私たちの作業スピードに比べれば,CPUのスピードは圧倒的ですから,いかにもディスプレイの文字に作業したように感るように,データ処理することができるのです.

例えば,1つの段落を選択し,「編集」メニューの「コピー」を選択します.(あるいは,Ctrl+Cを押します.)すると,CPUは選択した範囲をクリップボードと呼ばれるRAMの特定の位置に書き込みます.

次に,カーソルを望みの位置に移動して,「編集」メニューの「張り付け」を選択します.(あるいは,Ctrl+Vを押します.)すると,選択した段落がその位置に複写されます.

これはプログラムの中で,次のような手順で実現されています.

CPUは,選択された範囲の文字数に合わせて,移動した先のカーソル位置から以降のRAMに記憶された文字データを後に移動します.

これには最後の文字データから必要文字数分だけ後に移動することを繰り返します.それが終わると,最後に移動した文字のあったRAMの場所から始めて,順に,クリップボードの文字データを先頭から順に移動します.

この作業は,CPUのスピードをもってすれば,目にも止まらぬ速さで終わってしまいます.

その上で,今表示している範囲の(変更済みの)データをVRAMに書き込むのです.毎秒60回程度ディスプレイは表示をし直していますから,すぐに表示内容の変化となって反映されるというわけです.

CPUはこうした処理をワープロのプログラムからの指示によって行います.プログラムでこのような処理をするためには,厳密な手順を作り上げることが必要ですが,それは技術者に任せましょう.

 私たち利用者は,そういう厳密な手順を行うプログラムがあって,それによって上記のような処理が行われていること,それが入力作業と表示作業の独立性を利用したものだということを理解すれば十分です.

3.21 入力作業と出力作業の独立性がパソコン作業の柔軟性の源です

パソコンを使って仕事をする時,私たちはディスプレイを見て,キーボードとマウスで作業をします.

GUI環境は,私たちがあたかもキーボードとマウスで,ディスプレイの表示に直接作業をしているような感覚を持つように,工夫されています.しかし,私たちがキーボードやマウスを動かして入力しているのはRAMのどこかへであって,ディスプレイではないことはすでに勉強しました(1.37参照).

ディスプレイの表示は,私たちがRAMへ入力するたびに,瞬間的にプログラム(が,それまでの作業に関してRAMに保存しておいた作業経過に基づいて下した判断)からの指示によってCPUVRAMに変更を加えること,毎秒決められた回数ディスプレイが表示を繰り返していることなどによって可能になるのでした.

要するに,入力の内容をCPUで処理をした結果がディスプレイ上に表示されている,ということです.

このような入力作業と表示作業の独立性は,人手で文字や図などを処理する場合との決定的な違いと言って良いでしょう.

コピー,削除,移動,挿入,修正などが容易なのは,パソコンによる文書作業の特徴です.そのお陰で,気軽に間違えることができます.

実は,これも入力作業と表示作業の独立性から来ることなのです.つまり,ディスプレイに表示している内容に直接入力作業をしているのではないからできることなのです.

文書の一部のコピーと削除では,結果として作られる文書が大きく異なるのですから,それを実現するプログラムも違っているはずです.

このことは,メニューから1つの機能を選択することは,プログラムを,選択された機能に合うものに切り替えることだということに,あらためて気づかせます.

 特殊キーショートカットとして有効なのは,これを押すことによって,入力を処理するプログラムを切り替えることができるからなのです.ワープロを使っている時に,ウィンドウキーを押すとスタートメニューを表示する,というように処理を変えるのです.

3.20 異なる表現様式の要素の配置や構造を決める属性について

ページレイアウトと段落やフォントに関することを決めることで,文書の見栄えがおおよそ決まります.あとは,文章を入力すると文書ができてくるということになります.

私たちがワープロを使うとき,これらの事柄についていちいち決めなくて済むのは,既定値があるからです.

もし,自分の思い通りのみばえ(つまり,書式)の文書を作りたいと思えば,既定値を変える必要があります.それはワープロのメニューの「書式」とか「書式設定」というようなところを使えばできます.

ところで,ワープロでは,地とは異なる表現様式のデータオブジェクトと呼びます.

オブジェクトを本文の中にどのように配置するかは,それぞれの表現様式の「書式」メニューや「プロパティ」メニューで指定することができます.このことは,オブジェクトが表の場合について,3.14ですでに述べました(プロパティについては2.7も参照のこと).

オブジェクトのレイアウトに関して指定する基本的な事柄には,オブジェクトの大きさおよび文章との位置関係があります.しかし,オブジェクトの種類によっては,他にも多くの指定すべき項目があります.それらの項目についても,たいがいは既定値が与えられていて,必要な時だけ変更します.

図の一種であるグラフであれば,レイアウトの他に,グラフの種類,座標軸にとる変数,グラフの線質,目盛りの取り方,各軸につける見出しなどに関する書式の指定が必要です.

であれば,行の本数と高さ,列の本数と幅,行や列の仕切り線の書式,セルの中の文字の配置,文字のフォントなどを指定します.

すでに述べたように,文書作成ソフトウェアは,作成した文書をファイルにして保存し,拡張子でそのファイルフォーマットを明示します.ソフトウェアに固有のファイルフォーマットを使うことが多いですが,業界標準的なファイルフォーマットを指定して保存することができるソフトウェアも多いのです.

例えば,文書の標準のファイルフォーマットとして拡張子pdf2.40参照),odtオープン ドキュメント テキスト)やrtfリッチ テキスト フォーマット)で示されるものがあります.

 これらは多くの文書作成ソフトウェアが対応しているので,編集が可能な状態のままで,相手が使っている文書ソフトウェアが分からない相手とファイル交換することが必要な時に利用されます.
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